東京大学教養学部附属教養教育高度化機構 D&I部門
開講科目
2023年度 Sセメスター
形 式:講義
科目名:人種とジェンダー
テーマ:脱植民地主義と性の政治
レイシズムや〈ヘテロ〉セクシズム、それらに関連する重要な概念について基礎的な知識を習得し、東アジアの帝国主義/植民地主義と性の政治の交差について学びます。そのうえで履修者には脱帝国主義・脱植民地主義のプロジェクトへの参与を促します。
形 式:演習
科目名:インターセクショナリティ概論
「インターセクショナリティ(Intersectionality)」をテーマに、それに関連するさまざまな分野・領域の学術論文や単行本、エッセイ等(日本語・英語)を輪読してディスカッションをします。これらをとおして、単一的で普遍的な「主体」を想定したりシングル・イシューの政治を志向したりするのではなく、さまざまな権力関係がいかに相互に連関し合っているかを認識し、社会正義を実現するためのラディカルな思考力を養います。
担当教員:福永 玄弥(FUKUNAGA Genya)
メールアドレス:genya.f.mail[a]gmail.com
([a] を @ に変えて送信して下さい)
オフィスアワー:金曜5限(101号館017室)
事前にメールで予約してください。
自己紹介:専門はフェミニズム・クィア研究、社会学、地域研究(東アジア)。植民地主義・冷戦体制と性の政治をテーマに、研究を進めています。これまで首都圏近郊のいくつかの大学で「ジェンダー」の科目を受けもってきましたが、東京大学で教えるのは2023年度が初めてです。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。
形 式:講義
科目名:フェミニズム科学論
テーマ:フェミニズムと科学的言説の接続
科学的な知の生産に対するフェミニズムの視点からの介入を、女性科学者の歴史的な位置づけ、生殖技術の発展、「怪物」の表象とセクシュアリティ、エイズ危機に見られるような感染と他者化をめぐるメタファーの問題、人新世などの新たな思想的潮流との接続といった多様な観点から取り上げます。
担当教員:飯田 麻結 (IIDA Mayu)
メールアドレス:シラバス参照
自己紹介:専門はフェミニズム理論とメディア・スタディーズ。Goldsmiths, University of London, Department of Media, Communications and Cultural StudiesでPhDを取得。科学知におけるメタファー、情動とエンボディメントといったトピックを中心に研究・翻訳を行っています。駒場キャンパスでは「ジェンダー論【人文学】」という授業をSタームに担当しています。オフィスアワーに関しては、各授業のITC-LMSのページをご参照ください。
形 式:講義
科目名:性の政治Ⅰ
テーマ:クィア理論
この講義では、フェミニスト・クィア・スタディーズにおける基本的な概念やトピック、議論を概観します。その際とりわけ、文化的差異の相互的重なりに注目する、インターセクショナルな分析の重要性に焦点をあてます。
このような学びを通じて、ジェンダーやセクシュアリティが私たちの生活にいかに密接に関わるかを理解し、フェミニスト・クィア・スタディーズの視座から文化的事象を分析できるようにすることが授業の目的です。
担当教員:羽生 有希 (HANYU Yuki)
メールアドレス: feminism.and.deconstruction[a]gmail.com
([a]を @ に変えて送信して下さい)
自己紹介:はじめましてもしくはこんにちは!私の専門はクィア理論とフェミニスト哲学です。差異を主張しながら同時に差別の解消を訴えていく社会運動、とりわけジェンダーやセクシュアリティに関するそれの難しさと面白さに惹かれて研究を続けています。最近は、専門というわけではありませんが、アセクシュアリティ・スタディーズもしくはエース・スタディーズに関心を持っています。授業で皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!(授業は連続での受講を想定していますが、単発での聴講も可能です)
形 式:講義
科目名:性と身体Ⅰ
テーマ:障害の社会モデル、クリップ理論、エイブリズム
「性と身体Ⅰ」では、障害学の考え方を身につけていくことを目的にしています。ある特定の障害を持ち生きることによって被る不利益について議論していくことになりますが、それは、表現を変えれば、この社会が、どのようにして「できるようになること」や「標準」「普通」といったものを形作ってきたかを知るということです。主には性と身体をめぐる具体的な問題を取り上げ、特別講師もお招きしながら授業を進めていきます。
担当教員:野澤 淳史 (NOZAWA Atsushi)
メールアドレス:anzw_21[a]tku.ac.jp
([a]を @ に変えて送信して下さい)
自己紹介:東京経済大学現代法学専任講師。専門は障害学と環境社会学。主な研究課題は水俣病と気候変動。
形 式:演習
科目名:トランスジェンダー研究を読む
トランスジェンダーは、通り一遍の知識で語ると表面的な事柄を反復するだけで終わってしまいますが、歴史的な文脈と当事者のリアリティを理解していれば、驚くほど豊かな仕方で語り、議論することもできます。このゼミ形式の授業では、トランスジェンダーの人々が書いてきた論文やエッセイを読むことを通じて、医療、法律やフェミニズムとの関係でトランスの人々がどんな課題に直面し、どんな対抗的な言論を展開してきたのかを学びます。
(執筆:TF山田)
担当教員:清水 晶子 (SHIMIZU Akiko)、
山田 秀頌 (YAMADA Hidenobu)
メールアドレス:非公開
山田 秀頌(ティーチング・フェロー)
自己紹介:駒場の大学院生です。トランスジェンダーの身体やアイデンティティに関する英語圏の理論的展開をふまえつつ、日本におけるトランスジェンダーの生についても考察しています。いま博士論文を書くためにキャンパスに通っているので、見かけたら仲良くしてください。最近の論文としては、「可視化か不可視化か:トランスジェンダーのパスの経験におけるジレンマ」(『現代思想』2021年11月号)など。
2023年度 Aセメスター
形 式:演習
科目名:植民地主義とジェンダー・セクシュアリティ
テーマ:脱植民地主義と性の政治
東アジアに焦点を当てた(ポスト)植民地主義と性の政治に関連する重要な文献(日本語・英語)を輪読します。この科目は演習ゼミなので、文献の輪読と発表、ディスカッションを中心に授業を進めます。(この科目を履修するにあたっては、Sセメスター開講の「人種とジェンダー」を事前に履修することを推奨します)
形 式:演習
科目名:大学教育におけるD&I再考
大学教育における「Diversity&Inclusion」への取り組みを批判的に考察します。演習の半分は文献の輪読をおこない、残りは東京大学を含む大学のD&I関連の施策を各自で調査して分析し、発表をおこなってもらいます。社会調査の基礎的な知識や倫理を学び、そのうえで調査対象を実証的に考察する力を身につけることも目標のひとつです。
担当教員:福永 玄弥(FUKUNAGA Genya)
メールアドレス:genya.f.mail[a]gmail.com
([a] を @ に変えて送信して下さい)
オフィスアワー:金曜5限(101号館017室)
事前にメールで予約してください。
自己紹介:専門はフェミニズム・クィア研究、社会学、地域研究(東アジア)。植民地主義・冷戦体制と性の政治をテーマに、研究を進めています。これまで首都圏近郊のいくつかの大学で「ジェンダー」の科目を受けもってきましたが、東京大学で教えるのは2023年度が初めてです。みなさんとお会いできるのを楽しみにしています。
形 式:演習
科目名:サイバーフェミニズム
テーマ:フェミニズムと科学的言説の接続
サイバーフェミニズムの歴史的な隆盛とその代表的な作品・プラットフォームを参照した上で、https://cyberfeminismindex.com/に掲載された文献に関する学生の発表を中心に、ディスカッション形式で授業を行います。(この授業を履修するにあたっては、Sターム「フェミニズム科学論」を事前に履修することを推奨します)
担当教員:飯田 麻結 (IIDA Mayu)
メールアドレス:シラバス参照
自己紹介:専門はフェミニズム理論とメディア・スタディーズ。Goldsmiths, University of London, Department of Media, Communications and Cultural StudiesでPhDを取得。科学知におけるメタファー、情動とエンボディメントといったトピックを中心に研究・翻訳を行っています。駒場キャンパスでは「ジェンダー論【人文学】」という授業をSタームに担当しています。オフィスアワーに関しては、各授業のITC-LMSのページをご参照ください。
形 式:講義
科目名:社会正義論
テーマ:生殖=再生産をめぐる倫理
この授業では、生殖=再生産(reproduction)をめぐる倫理について講じる。その際とくに、社会のマイノリティ集団にとって生殖がどのように政治化され、倫理的な問題事象が生み出されてきたかという点に注目する。より具体的には、産児調節運動と優生学の関係、障害者やクィアに対する不妊化の歴史、優生保護法=母体保護法をめぐる諸問題、トランスジェンダーの性別承認に課される不妊化の要件、医学研究からの女性・妊婦の排除の歴史と現状などについて講じる。
担当教員:高井 ゆと里(TAKAI Yutori)
メールアドレス:yutori-t[a]gunma-u.ac.jp
([a]を @ に変えて送信して下さい)
自己紹介:東京大学大学院(人文社会研究科)で2020年に文学博士を取得しました。主たる専門は西洋哲学と生命倫理学です。著書に『ハイデガー:世界内存在を生きる』(講談社2022年)、訳書にショーン・フェイ著『トランスジェンダー問題』(明石書店2022年)があります。7月には周司あきらさんとの共著『トランスジェンダー入門』(集英社新書)が刊行されます。お気軽に受講して下さい。
形 式:講義
科目名:ダイバーシティと法
講義題目:セクシュアリティと法
テーマ:国際人権法とLGBTQ
2011年に国連は性的指向・性自認に関する人権保障の強化を決議しました。現在、同性同士でも婚姻できる国がある一方、同性同士の親密な関係性を理由に刑事罰が科される国もあります。役所への届け出だけで性別記載が変更できる国もあれば、警察や市民による外見上の性別を理由にした暴力や嫌がらせが野放しの国もあります。この授業では国際人権法の歴史や制度を学びつつ、多様な性のあり方に関する法政策の課題を考えます。
担当教員:谷口 洋幸(TANIGUCHI Hiroyuki)
メールアドレス:非公開
自己紹介:専門は国際人権法・ジェンダー法。ジェンダー/セクシュアリティに関する人権保障のあり方について、主にLGBTQをテーマに研究中。
形 式:演習
科目名:フェミニスト/クィア障害学
この演習では、性の政治とディスアビリティの政治を、両者の並列的な類似性ではなく、重なり合いや交錯、衝突、交渉に焦点をあてて考えます。フェミニスト・ディスアビリティ研究やクィア・ディスアビリティ研究の重要文献の講読を通じて、性の規範や政治をディスアビリティの視点から批判的に考察できるようになることを目指します。
担当教員:井芹真紀子(ISERI Makiko)
メールアドレス:非公開
自己紹介:専門はフェミニズム/クィア理論、ディスアビリティ・スタディーズです。今年度はKOSSの運営だけではなく、Aセメの演習授業も担当することになりました。KOSSにはD&I科目に関連する蔵書があり、専門の院生スタッフや関心の近い仲間がいます。気軽に遊びに来てくださいね。